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天竜杉..

杉で住まいをつくる...

私たちの暮らす地域には、人工の日本三大美林の天竜杉がありますね。天竜美林は江戸時代から人工造林され、明治時代に金原明善の治水事業として植林が行われ現在に至ります。

建築材料として使うのが目的だったようで、材種は杉が7割、桧が3割ということです。成長が杉の方が圧倒的に早いので、生産性の面からこんな割合になったようです...

天竜杉は節が少なくまっすぐ伸びていて、赤味があるため水や白蟻に強いというのが特徴ですね。

私が杉を使い始めたのは15年ほど前になるでしょうか。新月伐採(現在では月齢伐採)と出会ったころです。新月伐採というのは、新月を過ぎ満月までの月の満ちてゆく期間の伐採をしないというものです。
「昔から月の満ち欠けによって地球そして生物はその影響を受けて今日に至ってきました、潮の満ち干き、人の出産やサンゴの産卵など...
そして、月は木にも関係しているのです。
木は月のリズムによってその生命活動を変化させており、最適な時期に伐採をすると、デンプン質が少なく、腐りにくい、カビにくい、狂いにくいといった特徴が得られ、色つやの良い、丈夫で良質な木材になります。実際、国宝「法隆寺」は月齢伐採の木で建造されたという言い伝えもあるとか...
実際に新月を過ぎ満月までの月の満ちよう期間の伐採をやめた結果、虫害や腐りが少なくなったと感じられたそうです。(天竜T.S.ドライシステムより)」 これが杉の家をつくるきっかけだったような気がします。

ところで杉にどんなイメージをお持ちですか? その昔、貴族の住まいや社寺は桧で、庶民の住まいは杉で...とそんなことから、杉は安普請とか弱いなどというイメージがついてしまったのかもしれませんね。桧の無節材から上小節、小節そして杉へ..そんなイメージといったところでしょうか。実は私も最初に杉を使ったときは、構造材のコストを考え、杉の特一等材を使ったような記憶があります。表面の節の有り無しで木材の価格は変わります。でも節があっても曲げ強さはそれほど変わらなかったり、中心部の年輪の幅についても極端な場合を除いてあまり影響はないともいわれています。

でも杉は、木目がやさしく、やわらかく、加工しやすい。赤味が多く粘り強く、水にも強く長持ちする。そして断熱性と調湿作用が他と比べて大きいというすばらしい長所があります。強度についても、桧と比べると少し弱いなどともいわれていますが、先ほども言いましたが天竜の杉は赤味がつよく強度(ねばり)があります。ヤング係数(曲げの強さ)が桧と同等の杉が多いんです...ただし、強度のばらつきが多いところがありますので、特に大きな力の掛かる材の選択には注意が必要なところはあります。
また、葉枯らしすることで、辺材と心材の水分がほぼ同じとなり全体が均質化します。このことで製材品の反りや曲がりが少なくなり、材の色艶がとても良くなります。

そんな地元の杉を使うことは、成長過程の気候風土とがあっていることや、微生物や細菌などにも免疫があることから木が長持ちすることにもつながります。

そんな天竜杉は、建物の長寿命や、室内環境を考えた場合には優れた性能を発揮してくれます。木の家を考えるとき 「天竜杉」 とうまくつきあってみませんか。

1/f 特性2..

ヒトの体内時計...

身体のほとんど全ての細胞の中に時計が仕組まれていて、染色体の中に6種類の時計遺伝子があって、それらが互いにバランスを取りながら体内リズムをつくり出しているそうです。

地球上のすべての生物は生体リズムを刻む時計を体内にもっていて、その時計に従って生命を維持している...ということはこの時計が狂ったら生命にとっては大変な危機になるということです。

生物の生体リズムは、人や動物、鳥や昆虫、植物や細菌はみんな同じリズムなんだそうです。そしてこのリズムの元になっているのが 「サーカディアンリズム」 日本語では 「概日(がいじつ)リズム」。これは太陽の動きを基準としたもので、地球の自転周期の24時間と公転周期365日に一致している。これはヒトの誕生から現在まで、ず~っと地球上では昼夜のの同じリズムがくり返されているのですから、一日のリズムや一年の季節のリズムがヒトの遺伝子に組み込まれていて当然ということになりますね...

この体内時計が司る様々な生体リズムも、そのすべてが 1/f 特性 でゆらいでいます。私たちの身体のリズムは、1/f 特性 をもつことで、さまざまなことに臨機応変に対応することができています。1/f 特性 のゆらぎは生命体の本質ということになりますね。

でも私たち現代人はそのことを意識できずに、自然のリズムを無視したことで起こる生体の不調を、人工的な化学物質いわゆる薬の力でごまかしているのが現状ではないでしょうか。なんだか無駄な努力に感じませんか...

朝規則正しく起きて朝日を浴びる..又は朝日を浴びて起き活力をもらう、夕日を浴びて身体を休息モードにしてくれる、そしてエアコンのように自然のリズムを無視する設備に頼ることのない住まい。自然のリズムを失っている社会生活でストレスを受けた体を本来のリズムに戻す場所..そんな住まいでありたいと思っています。

住まいには、1/f 特性 のゆらぎのある暮らしができるオペレーションが必要です。窓の開け閉めなど住まい手がひと手間掛ける必要はありますが、そのひと手間掛けて生活することが楽しく感じられる住まいづくり..オペレーションづくり..を大切にしましょう。

引用:ヒトの健康寿命を延ばす1/f の共生デザイン/落合俊也 より

1/f 特性..

1/f 特性ってご存知ですか...

私たちの身の回りには、規則正しく動いているものと、不規則に動いているものがあります。規則正しい動きは人工的になもので、電気エネルギーを使っているものはほとんど規則正しい動きがベースです。それに対して自然の動きは不規則なものだと思っていますよね。

この不規則には、「ただの不規則」 と 「調和のとれた不規則」 があるそうです。実は生命現象や自然現象の変動は、単なる不規則なリズムではなく、調和のとれたリズムで、その根底にはある数学的法則があるとされていて、それが 「1/f 特性」 といわれるものだそうです。

この 「1/f 特性」 が私たち人間が ”心地良い” と感じる共通の原理だということです。

「星のまばたき」 「炎の動き」 「風のうごき」 「木の年輪や木目」 「職人さんの手仕事」 そして 「ヒトの体内時計」 も 1/f 特性 をもっているようです。星のまばたきや風のうごきなどはなんとなく理解できますよねぇ...でも、木の木目や手仕事にも 1/f 特性 のゆらぎがあったんですね。

大工さんの手仕事では、手ノコで切ったりカンナで仕上げた面にはこの”ゆらぎ”があり、電ノコや電気カンナでの仕上げ面では出ないそうです。左官さんが仕上げた壁も分析してみると、この”ゆらぎ”が出ているそうで、素人の塗った壁ではこの 「1/f 特性」 はないそうです。なんだか残念ですが...

現代の生活では、身の回りには電気で動くものでいっぱいです。人工的な電磁波にかこまれた生活の中に、心地良いと感じるゆらぎ特性をつくり出すことで、人工的なリズムが打ち消され、自然のリズムあふれる住環境になればと、そんな思いから 「木の家」 を 「手仕事でつくる」 ことをおすすめします。

「ヒトの体内時計」 についてはまた次に...

引用:ヒトの健康寿命を延ばす1/f の共生デザイン/落合俊也 より

空気を暖めない暖房2..

そこで登場するのが ”輻射熱を使った暖房” です。

輻射熱というのは遠赤外線です。この輻射熱というのは地球上のあらゆる物質が例外なく吸収放出しています。放射熱は自分より温度の低い物体へものすごいスピードで飛んでいきます。(電磁波は熱ではありませんが、空間を伝って伝達先の物体にあたると、電磁波の振動エネルギーにより伝達先の物体の分子が振動して熱を発する。というのが熱放射で、よく知られているのが電子レンジです。)

焚き火の経験ありますか?冬の風のある寒い日に焚き火に当たると暖かい。でも煙がけむいから風上に行きますよねぇ...でも火の暖かさは身体を温めてくれます。エアコンなどの空気で暖める暖房では風上に暖かさが来ることはまずないでしょぉう...これが輻射熱です。

輻射熱を使った暖房って?

実は昔からあるこたつやハロゲンヒーターなども輻射熱をつかった暖房器具です...ただエネルギー消費量が大きいのが難点。
そこで最近使われているのが、ヒートポンプを使って温水をパネルに流すクール暖や薪ストーブ・ペレットストーブです。これらは廻りの空気も伝導や対流で暖めますが、大部分は輻射熱(遠赤外線)です。先程もお話ししましたが、輻射熱は自分より温度の低い物体へすごいスピード(電磁波早さは秒速30万km)で飛んでいき、天井や壁、床の温度を暖めます。もちろん人の身体も温めます...

天井や壁、床の表面温度が暖められますので ”体感温度” も上昇します。

体感温度というのは、各表面温度と室温をたしたものの平均。(もちろん風や湿度などの影響も考慮した計算をしなくてはいけませんが、今回は単純に冬の室内で風はいらない環境でということで...)
たとえば、天井20℃、壁18℃、床15℃、室温22℃のとき、(20+18+15+22)/4=体感温度18.75℃ということになります。たとえば薪ストーブを使ったら輻射熱の効果で天井や壁、床の表面温度がすべて20℃になります。すると体感温度は、20.5℃となります。体感温度18.75℃で快適ですよ..ということならば、天井や壁、床と室温をこの18.75℃という設定温度で暖房すればいいことになりますね。

ということで、空気で暖める時よりも低い室内温度設定が実現できますし、温度ムラもなくなります。また開放型の暖房器具のように、室内空気が汚れることもありませんし、温度も低く設定できる分湿度が下がるのも防ぐことができそうです。

そんなことから、「空気を暖めない輻射熱を使った暖房」 考えてみたらいかがでしょう...

空気を暖めない暖房..

「エアコン使うと乾燥する..」 ってよく聞きますね。そのために加湿器を使って調湿するひとも多いようです。今回は暖房と乾燥に注目しながら身体にいい暖房を考えてみましょう...

まずは、どうして暖房すると乾燥するんでしょうか?

エアコンで暖房することで室温が上がります。室温が上がることで飽和水蒸気量も上昇します。でも室内の水蒸気量に変化はないので 「相対湿度が下がる」 ということになり、それで乾燥すると感じられるわけです。

ところで、飽和水蒸気量とか相対湿度とかってなんぞや?

空気はそれぞれ水分を含むことができる量が決まっています。もうこれ以上水分を持てないというのを 飽和水蒸気量 と呼びます。ここを100%として、その空気の中にどのくらいの水蒸気を含んでいるのかを%で示すのが 相対湿度 と呼ばれています。
これに対して 絶対湿度 という言葉をよく耳にしませんか。こちらは、空気の中に含まれている(持てる)水分の量を示しています。

先ほどの話しの繰り返しですが、エアコンで暖房することで室内の空気が暖められ室温が上がります。室内の空気の温度が上がることで、この空気が持てる水蒸気量も上がります。
たとえば15℃の空気が持てる水蒸気量(絶対湿度)は約13g/m3です。このとき実際にその空気に含まれている水蒸気量が6.5g/m3とすると、13g/m3の半分ということで 相対湿度50% ということになります。
この状態のままでエアコンで空気の温度を20℃まで上げたとします。20℃の空気が持てる水蒸気量は約17g/m3(絶対湿度)。この時の水蒸気量が6.5g/m3のままですから、6.5/17=0.382=38.2%ということになります。相対湿度50%から暖房することで38.2%になったことになります。これが湿度が下がったということになるわけです。

人は乾燥しているというのを、空気に含まれる水蒸気量の変化で感知しています。ですから空気中の湿度が下がることで、粘膜などの水分が乾燥しやすくなり、のどが渇いたり皮膚の乾燥が起こるということのようです。

これが乾燥する仕組み...

ところで、石油ファンヒーターやストーブはどうなの?

石油ファンヒーターやストーブは、室内に燃焼空気をそのまま排出する開放型といわれる機器になりますね。こちらもエアコン同様に室内の空気を暖めますので、相対湿度は下がることになるのですが、燃焼によって CO2 と 水蒸気(H2O)が発生して空中に放出されるので、エアコンを使った時よりも相対湿度の下がりは少なくなると考えられます。

燃焼による水蒸気の発生量はというと、おおよそ 300g/h 程度で、加湿器がだいたい500g/hということですのでかなりの水蒸気量ですね...
そういえば、石油ファンヒーターなどで暖房すると窓の結露がすごい!!ということを感じたことありませんか。

エアコン+加湿器や石油ファンヒーターなどで暖房して乾燥を防いだとして、夜寝る時に暖房を切ったとします。先ほどお話しした室温を暖めるのと逆の効果が発生します...

加湿器や燃焼による水蒸気を含んだ空気の状態を、温度22℃で水蒸気量10g/m3だとすると湿度50%。この状態から暖房を切って室温が12℃まで下がったとしましょう。12℃の空気が持てる水蒸気量は約10g/m3ですら相対湿度100%ということになります。もうこれ以上水蒸気を持てない状態になり、窓際などの12℃より温度が低い部分では、水蒸気があふれた状態になり 結露 ということになるんです...

これは窓際ばかりではなく、タンスの裏側や断熱材のすき間などでも同じ状態になるということになります。

だから ”空気で暖房するのはよくない”  といえますね...

つづく