カテゴリー「古民家再生物語り」の記事

建具..

今回は建具をすこし紹介しますね...

縁側の手前には、腰付額入りの紙貼り障子.. すこ~し外の緑が見えるのがいいですね。 
長年使われていた建具の高さを調整して再使用です..

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台所食堂と茶の間の間には、上下式の紙貼り障子.. 高さを二等分してそれぞれの小障子が上下するというもの。 視線や風の調整も自在になります...

   Dscn7366 半円型に小骨の入った建具..

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食堂から中廊下には、腰に無双窓(板が互い違いに動くことで開口する)、上部の小障子が下がる紙貼り障子.. こちらの建具も風の調整が自由自在です。 腰の無双窓の板がS字型になっているでしょう..これなかなか手間のかかる仕事なんですよ。
どちらも、これからの生活に合わせて新しくつくりました..

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    100_0050 腰付大阪格子戸..

上の写真は、腰付大阪格子戸と呼ばれている建具。 一番下段は板張り、その上に千本格子3段とガラスの入った明かり取り小窓.. 下段以外には裏側に、小障子がはめ込まれていて、夏には外して風を通すという建具ですね。
下の写真は、茶の間の天井障子.. 茶の間と食堂の天井は小屋裏が表しとなっていますので、冬場にはこの障子を閉め、暖気が小屋裏に逃げないようにしています。

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使われていた建具が傷みがひどかったり、ガラス戸などに改修されていたりということで全てを再使用するというわけにはいかなかったんですが、古くから使われ続けてきた建具の機能を受け継ぎ採り入れ、補修したり..新しく作ることになるわけです...

古民家再生物語りつづき..

しばらく時間がありましたが第2章始まります。
ここまでのお話しは 右下の ”古民家再生物語り” をクリックすると見られます...

左官さんによる 漆喰塗り が終わり、再生現場では床板の仕上げや家具の取付、建具の吊り込みが始まりました。

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   Dscn7326 仕上がった床板..

床材は天竜材厚み8分(24ミリ)の杉板。 古色塗料として今回は 久米蔵 を使用.. 刷毛で全体に塗り手ぬぐいで塗り込むという工程で、最後に 荏胡麻油 を塗り込んで仕上がりです。

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      Dscn5326 構造材の古色塗りの様子..

少し戻りますが、構造材を塗装した古色塗料は 棟梁が時間を掛け造りあげたもの。 調合は極秘だそうですが、松煙に砥の粉や朱墨などが入ってるみたいです...

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   000_0078 夏冬で使い分けする天井障子..

内部の古色塗装が終わった現場には、建具や家具が運び込まれて来ました。
建具のお話しは次回に...

ここまでのお話しは右下の ”古民家再生物語り” から...

漆喰塗り..

大工造作工事も一段落して...

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壁の仕上げ工事に進みます... 今回は、左官さんによる漆喰塗りがメインとなります。 まずは下地調整の作業から..

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      Dscn6742 貫伏せ...

貫伏せと言って、荒壁の一部に下地の貫(木の部分)が見えていますのでこれを土により伏せていきます。そして引き続き下地を平滑にするための下塗りのムラ直しが行われます。

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       Dscn6781 外部も合わせてムラ直しを...

その後いよいよ漆喰により仕上げられていきます。この現場では、アールの垂れ壁やその下端がまたまたアールになっていたり、丸窓があったりと左官さん泣かせの仕事が多かったかも...

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      Dscn7056 苦労の甲斐あり...

仕上がりは 左官さん本人も満足のようでした...

引き続き現場では建具が吊り込まれ、その他仕上げ工事が進められます。外では外構の工事も始まるようです...

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内部造作..

荒壁の土付けが終わった現場では...

Dscn6578 大工さんによる木工事が本格的に...

外部建具枠や腰壁の板張りに続いて内部の造作が始まりました。 床板が張られ天井が造られ以前の姿が徐々に甦ってきます...

   Dscn6358 大黒柱も元の位置に...

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古材の柱に新しい敷居が取り付き、厚さ30ミリの杉フロ-リングが張られました。新材は後ほど古色の塗装がなされます...  居間の天井は100本以上の丸太が組まれた小屋組みを見ることが出来る仕掛けになっています。梁と壁を廻っている枠材には天井障子がはめ込まれます。夏には開放し冬には閉じるといった仕組みに...

そしてこちらは 煤竹(すすたけ) を...

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茅葺き屋根の下地に使われていた竹は煤に覆われて真っ黒な状態(写真左下)なものを、一本一本手荒いして再利用するというわけです。今回は玄関ホールの天井として、太いものを廻り縁として、その上に少し細いものを敷き並べて縄で編み込んで仕上げます。

       000_0076 仕上がりはこんな感じに...

100年以上年を過ごした古材と新しい材とが... もとのところに納まったり、新しい役割を果たしたり... と新たな時を刻み始めることになります。 大工さんはそのあたりを材と話し合いながら造作を進めてつくりあげていくことになります...

そ~んな感じで造作仕事が半年程続きます...

   Dscn7187 引き続き左官工事に...

荒壁..

  Dscn6109木舞掻きが終わった現場では...

荒壁の土付けが始まりました。最近ではあまり見られなくなった”小舞を掻いて土をつける..” ってのも伝統構法の柔らかな建物をつくり出すための大切な要素のひとつなんです。

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水合わせ場に運び込まれた土は 水調整され泥となって現場に運び込まれ木舞に付けられていきます。 今回の土は棟梁の薦めで ”呼吸する土” を使用...

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こうしてまず 表塗り がおこなわれます。 その後、半乾きの状態で裏撫で(裏側に飛び出した部分を押さえる)..そして裏返し塗りへと進んでいきます...

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水調整される土と道具たち...

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今回は1週間ほどの期間を掛け土がつけられました。その後はしばらく養生期間が続くことになります。 だんだん白っぽくなっていくのがおわかりでしょうか... 左から10日目、15日目、20日目の土の様子です。

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   Dscn6250 土の表情です..

こんな感じで 木舞掻き ~ 荒壁土付け がおこなわれました... 現場は外部の建具も取り付けられ、いよいよ内装の木工事が本格的に始まることに...

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内部の造作もお楽しみに...

竹小舞..

屋根の工事が終わった現場では土壁の工事へ...

土壁の下地といえば竹小舞..ということでまず木舞竹が運び込まれて来ました。土壁の下地となる竹は、骨組みとなる間渡し竹の”しの竹”と網状になる部分の”真竹”でつくられます。

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間渡し竹は 柱間と横架材間にはめ込まれます。木舞竹は直径40~60mmの真竹を専用の道具で割ってつくり、たてよこ網目状に縄で縛り付けていきます。こうして編み込んでいくことを”小舞を掻く”って言いますね...

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間渡し竹を渡し、真竹を割り木舞を縄で編む..この作業を繰り返すことひと月弱、木舞掻き終了時の現場は 「このまま仕上げでも..」 な~んて思うほど美しい光景です...

さていよいよ木舞に土がつけられることになります...

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茅葺きから瓦葺きへ..

本屋根は ”本葺一体瓦” 葺き...

固められた軸組の上にいよいよ瓦が葺かれます。今回の瓦は淡路のいぶし瓦... 下屋の瓦は一般的な日本瓦、本屋根は ”本葺一体瓦” といって平瓦と素丸を組み合わせて葺き上げるかたちのもの... 

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本屋根は、茅葺きから本葺き一体瓦のむくり屋根となります。 むくり屋根ってのは屋根面が少し凸状態になってるというもの... お寺の屋根なんかは ”てり屋根” といって反った屋根ですね。むくり屋根はその逆ってことです。

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本葺き一体瓦といって 平瓦と素丸 が一体につくられたものです。 施工性や耐久性に優れていますね...

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以前の茅葺き屋根は 本葺き一体瓦のむくり屋根 に姿を変えました。 ひと月ほどの屋根工事でした... 昔のような屋根の高さはなくなりましたが、重厚感と優しさの感じられる姿になったような気がします。

屋根下では 土壁の準備が始まっています... 竹小舞掻きそして荒壁土付けと現場は進んでいきます。

込み栓・鼻栓..

仕口に栓が打ち込まれ...

建て方の終えた現場では、足固めや貫も通され、仕口に込み栓・鼻栓や割り楔が打たれ軸組が固められていきます。

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”ギシギシ”と音をたてながら仕口が締められていくというわけです...

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こうして組み上げられ固められた軸組の上に下屋(周囲の広縁屋根)下地がつくられていき、瓦が葺かれることになります。 建て方からひと月程が経ちました...

ちょっと間があきましたがまだまだ続きます...

建て方..

再生された古材と新しく仲間入りする材が...

基礎工事・刻みが終わり、いよいよ建て方です。古材たちがこの地に戻ってきます。新しく仲間入りする材と一緒に組み上げられていきます。元の位置にもどされた据え石の上に土台が敷かれ柱がその上に..そして梁が組まれます。

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据え石の形状に合わせて土台が加工されます。柱間に足固め(土台の上の横架材)が組まれると、据え石に納まった土台と足固めでがっちりと固定されます...

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足固めの上部には貫が入りそして梁が組まれていきます。100本以上の丸太に貫そして柱と.. 組み上がると向こうが見えないほどです。

再生され元の位置に納まった古材がなんだか生き生きしているようにも見えます...新しく仲間入りした材とまた新しい生活が始まることとなります。五十年後いや百年後にまた再生されるかもしれませんね...

建て方を終えると、仕口に込み栓や鼻栓、割り楔などが打ち込まれ梁組みが固められていきます。そして屋根工事、小舞掻き..と進んでいきます。

基礎工事..

作業場での刻みと並行して現場では基礎工事が...

今回の再生では、一度建物を解体してというかたちですので基礎工事も、通常の施工方法となります。現地での再生となると一度建物をジャッキアップし、その下で工事をするという方法になりますね...

地盤調査の結果も悪くなく、簡易型式のベタ基礎となりました。もともとの据え石を使うこととなりましたので、床版の上に石をセットするかたちに...

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地業と配筋を石が据わるように少し掘り下げ、ここに据え石をセットします。

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コンクリート打設に合わせセットされた据え石は元の場所にもどったというわけです。 少しこだわりすぎなのかもしれませんが、こんなところも再生の楽しみなのかもしれませんね...

こうして現場では基礎工事が..そして作業場では刻みが進んでいきます。ここまで2~3ヶ月の期間を掛け、いよいよ再生刻まれた古材たちがこの現場に戻ってくることとなります...

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